成果発表

2017/11/22
論文

Nature

腫瘍免疫
Inflammation-induced IgA+ cells dismantle anti-liver cancer immunity
Nature. 2017 Nov 16;551(7680):340-345.
Laboratory of Gene Regulation and Signal Transduction, Department of Pharmacology, School of Medicine, University of California San Diego (UCSD)
Dr. Shabnam Shalapour
腫瘍免疫の研究において、当社レパトア解析が利用されました。論文では、T細胞受容体(TCR)およびB細胞受容体(BCR)レパトア解析を実施し、慢性的な炎症がIgA産生B細胞の集積を引き起こすこと、さらにPD-L1(Programmed death-ligand 1)とインターロイキン10(IL10)を発現し、組織中の細胞傷害性T細胞の働きを直接抑制していることを報告しています。これらの結果から、炎症によって誘導される細胞傷害性T細胞の抑制が、がんの増大を促進するメカニズムとして重要であること、がん細胞に対する免疫機能の増強を目的とした新たな治療戦略の可能性について示唆されました。

2017/10/20
発表

第68回米国肝臓学会議(AASLD The Liver Meeting 2017)

東京大学医科学研究所先端医療研究センター先端ゲノム医学分野の中川 良先生が "Characteristic T cell receptor repertoires in CD4+ T cells of primary biliary cholangitis" を発表(354)

2017/09/21
論文

JCI Insight

腫瘍免疫
Combination immunotherapy with TLR agonists and checkpoint inhibitors suppresses head and neck cancer
JCI Insight. 2017 Sep 21;2(18).
Moores Cancer Center, University of California San Diego (UCSD)
金子(佐藤)郁 先生
腫瘍免疫の研究において、当社レパトア解析が利用されました。論文では、PD-1(Programmed cell death 1)抗体とTLR(Toll-like receptor)7およびTLR9アゴニスト併用療法の頭頸部がんに対する効果について、T細胞受容体(TCR)レパトア解析を実施し、併用療法により担癌マウスの腫瘍や脾臓においてクローナリティーや共通クローンの増加を報告しています。これらの結果は、新規併用療法の治療効果の向上と臨床試験の可能性を示唆しています。

2017/07/29
論文

Science Immunology

基礎免疫
Human thymoproteasome variations influence CD8 T cell selection
Sci Immunol. 2017 Jun 2;2(12).
東京大学大学院 医学系研究科 免疫学
新田剛 先生
胸腺の分子機構に関する研究において、当社レパトア解析が利用されました。論文では、T細胞受容体(TCR)レパトア解析を実施し、胸腺プロテアソームを構成する分子であるPSMB11(β5t)の 1塩基多型の一つ(G49S変異)が、胸腺皮質上皮細胞(cTEC)でのCD8+T細胞の正の選択に悪影響を与えることを報告しています。これらの結果から、シェーグレン症候群の要因となる可能性について示唆されています。

2017/06/30
発表

第21回 日本がん免疫学会総会

"ドロップレットを用いた高効率シングルセルTCRペア遺伝子同定法の開発"を発表
6月30日 セッション名:O12 免疫モニタリング2

詳細はお問い合わせください。

2017/06/16
論文

Scientific Reports (2017)

基礎免疫
Highly functional T-cell receptor repertoires are abundant in stem memory T cells and highly shared among individuals
Sci Rep. 2017 Jun 16;7(1):3663.
広島大学 原爆放射線医科学研究所 血液腫瘍内科研究分野
川瀬孝和 先生
レパトアの多様性に関する当社との共同研究において、サイトメガロウイルス由来の抗原ペプチドに反応する共有(Public)TCRの存在について評価を行いました。
ヒトのT細胞が持つTCRの種類は10の18乗におよぶと推測されていますが、それらの中から特定の病原体を認識するTCRがどのようにして選ばれるかについては、詳しく知られていませんでした。また病原体に特異的なT細胞のTCRは、個人ごとで異なると考えられていますが、従来の技術ではTCRレパトアの共通性を比較することは困難でした。論文では、異なる個人間で共通して存在する共有TCRの存在が確認され、高い免疫応答性を持つT細胞によって構成されることを報告しています。
共同研究グループは、健常者ドナー5名を対象に、末梢血T細胞のTCRレパトア解析、さらにMHCテトラマーにてサイトメガロウイルス由来の抗原ペプチドと特異的に反応するT細胞集団のTCRレパトアを実施しました。その結果、抗原と反応する主要なTCRは、ドナー間で共有されている「共有TCR」であり、高い免疫応答を示すT細胞で利用されていることがわかりました。興味深い点は、抗原特異的なこの共有TCRは、機能的に異なるT細胞タイプで共通しているにもかかわらず、長期免疫記憶を司る「幹細胞様メモリーT細胞」において特に高い頻度で利用されていることです。これらの結果から、幹細胞様メモリーT細胞は、他の機能的なメモリーT細胞の供給源となる可能性について示唆されています。

2017/06/03
発表

第116回 日本皮膚科学会総会(JDA)2017

岡山大学の平井 陽至先生、岩月 啓氏先生のグループが "菌状息肉症の早期皮膚病変・皮膚病性リンパ節炎・末梢血におけるT細胞クローンの不均一性" を発表 (98)
優秀一般演題賞を受賞

2017/05/03
論文

Frontiers in Immunology (2017)

基礎免疫
Different Somatic Hypermutation Levels among Antibody Subclasses Disclosed by a New Next-Generation Sequencing-Based Antibody Repertoire Analysis
Front Immunol. 2017 May 3;8:389.
Repertoire Genesis Inc.
北浦一孝
IgM、IgD、IgG、IgA、IgEの抗体重鎖遺伝子について、次世代シーケンサーを用いてアイソタイプあるいはサブクラスごとに配列決定できる新規NGS抗体レパトア解析法を開発しました。Ig遺伝子のC領域にIgM、IgD、IgG、IgA、IgE特異的プライマーを設計し、その内部にIgサブクラスを識別できる配列を有する増幅法を開発しました。この方法ですべての抗体アイソタイプを1セットのプライマーでバイアスを生じさせることなく増幅することができ、その後サブクラスの配列を識別できます。
このNGS抗体レパトア解析法を用いて、12例の健常人の末梢血単核球細胞(PBMC)のすべての抗体アイソタイプおよびサブクラスの配列を決定し、網羅的に抗体レパトアを明らかにしました。さらに、IgMからIgサブクラスへのクラススイッチの過程で突然変異の蓄積や、Sequentialスイッチングの機序を明らかにしました。

2017/02/11
発表

第14回日本免疫治療学研究会学術集会

東京大学 伊藤国際学術センター
非バイアス次世代T細胞受容体レパトア解析を用いた菌状息肉症における末梢血と皮膚浸潤T細胞の相違(P-23)

2017/02/01
書籍

実験医学 2017年3月号 Vol.35 No.4

「がん免疫療法×ゲノミクスで変わるがん治療!」

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